インフルエンサー、whoの時代

「インフルエンサー」という言葉をよく聞きます。

いまこれマーケティング用語になってるみたいですが、
特段今になって出てきた言葉というわけではなく、
言葉としては大昔からあるものです。

influenceに-erをつけて「影響」を「ヒト化」した用語ですね。

「影響人間」とでもいいましょうか。



最近流行っている言葉って、
みんな”-er”が付いてますよね。

フォロワー、インスタグラマー、ユーチューバー。

influence → influencer
follow → follower
instagram → instagrammer
YouTube → YouTuber

という感じ。



言葉というのはどんどん進化していくもの。

その進化の仕方というのは、実は時代を反映します。

名詞に-erが付くというのは、さっき言った通り、要は”ヒト化”。

言葉からしてどんどん”ヒト化”が進んでいる、という

メッセージとも受け取れます。


ここまで考えたら、ちょっと恐ろしいことに気づきました。

別の言葉で言い換えてみます。

——————

今の時代はとにかく

「誰が言うか?」の時代になっている。

「何を言うか?」の時代はとっくに過ぎ去ってしまっている。

——————


例えばSNSでフォロワー数8ぐらいの人間と

フォロワー数10,000ぐらいの人間が

どちらも同じ主張・発言をしたとする。


説得力があるのはどちらでしょう?


圧倒的に後者の方が説得力がありますね。


フォロワー数が1000倍違うのですから当然です。

ファッションというところへ一段具体化してみましょう。


私みたいな人間がある着方をする。

ニックウースターが私と全く同じコーデで着る。

後者の方が説得力がありますね?


ゲーム実況はどうでしょう?

ある実況者を見て、好きになってしまいました。

すると何が起きるか。

その人がどんなゲームをやろうと、

シリーズ最後まで見るかどうかは置いておいて、

とりあえず見てしまう、のではないでしょうか。


うーん、やっぱり、

「何を言うか」ではなく、「誰が言うか」になってる。。



さらにわかりやすく非情に言いましょう。



魅力の有る人は何を言っても人が集まる。

魅力の無い人が何を言っても人は集まらない。


ああ無情。

明らかに、whatからwhoの時代へ移行してる。

移行済み、と言ってもいいかも。

これが20年前ぐらいだったら、

まだ”what軍”にも勝ち目はあったはず。



でも今は完全に時代が

whoの時代(「誰が」言うか?)になってしまっています。



これは時代の流れなのでしょうか。もどせないのでしょうか。



残念ながらここまで観察してきただけでも明確なように、

この”ヒト化”の勢いは留まるように思えません。

どちらかというとむしろ

現象はどんどん進んでいき、加速していくでしょう。



(乃木坂46のシングルのタイトルに「インフルエンサー」がありました。
このことを裏打ちしていますね。
その概念が相当なマス(一般)レベルまで伝わるだろうな、と判断した上で
秋元康さんはあのタイトルに決定したんでしょう)
インフルエンサー (Amazon)


ここで、ちょっと怖いのだけど、

この現象がどんどん進めば進むほどどういうことが起きるかを

さらにちょっと考えてみます。



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その人の本質が例えどれだけ世界に誇るべき素晴らしいものであっても、

その人の本質とは関係のないところで

評価されてしまうかもしれない。

時には、無視されてしまうことだってあるかもしれない。

—————



いとおそろしや。

これ、どうしたらいいんでしょうね。

本質が無視される時代ですよ。

だからこそ、その防護策?ではないけど、

素晴らしい本質を持っている人であればあるほど、

早く早く、行動した方が良いと思います。


急流の川をボートでさか上っていくのは不可能であるのと同じで

時代の流れに逆らうのは難しいからです。



“ヒト化”の大波は、確実に我々全体を飲み込みますから。



だからその前に、今、動けばいいです。

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